いとしいしと

私が、本も映画も大好きなお話、『指輪物語ロードオブザリング』。
お話の中に出てくる“ゴラム”が、指輪のことを「いとしいしと(my Preciouss)」と言います。


彼にとって大切な「たからもの」
私にとっての「いとしいしと」…


生地が裂けても自分で直して穿いているY'sの左右の太さが違うパンツ。こちらも直して着ている、前と後ろのサイズが違うマルジェラのニット。巨大なボタンのマーク・ジェイコブスのコート。お尻のフリルが魚の尾びれのようなギャルソンのスカート。母のおさがりの蝶々と花柄の着物と帯。先生からいただいた白地に赤のストライプの着物。母からもらった真珠のネックレスとピアス。両親の沖縄旅行のお土産の珊瑚の数珠。30超えたらいい時計しろと同僚に言われ、思い切ったロレックスのボーイズの時計。買い集めた箸置き。お気に入りの和食器。大好きな画家、伊藤若冲安藤広重の画集。10代から買い続けている雑誌、装苑スターウォーズのフィギュア。インディアンやナイトや海賊のプレイモービル。ミシン3台と革漉き機。


洋服、着物、雑貨、本…
あー、言い尽くせない!!私の「いとしいしと」。


「いとしいしと」は、ものだけでなく。
言葉を言い間違えた会社の女子がかわいかったり、夜中までお茶しながら、コイバナをしている友達がかわいかったりして、思わず抱きしめたくなります。ま、実は心の中でぎゅーっと抱きしめています(笑)たまに、実家にいる弟のことを思い出すとなんだか抱きしめたくなったりもします。30超えた男ですけど、心の中で抱きしめると、小さいころの弟になってます。すげーかわいかったんですよ、うちの弟(笑)
道端のネコも、友達が飼っている犬も。友達の子どもも。うちで生きてる多肉植物たちも、なんだかいとしくて抱きしめたくなります。


実は、ゴラムは指輪をなくしてしまう前までは、自分のことや自分の独り言の相手(彼は指輪をなくしたことで二重人格のようになってしまったので、自分の中に2人いるんです)、他人や指輪のことも、話しかける相手はぜーんぶ「いとしいしと」と呼んでいたんです。
私の「いとしいしと」もたくさん。自分も、自分の周りの人たちも、お気に入りのものたちも、自分の子どものような作品も、大事な「いとしいしと」なんですよね。