ものづくりを自分の仕事と決めた、原点へ...

私は、
洋画よりも立体物よりも現代アートよりも、
琳派時代から後の江戸中期に活躍した画家の
日本画(主に掛け軸、屏風)が
大好きです。


今日は、仕事終わりに
久々に若冲の絵を見に。
サントリー美術館で開催中の
若冲と蕪村」展へ。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_2/?fromid=topmv


この時代の日本画は、
太い線、単純なラインの力強いものから、
大型の屏風の迫力あるもの、
水墨画という単色なのにもかかわらず、表情豊かな表現
色鮮やかな色彩、
細かな手法
…。


上げたら切りがないくらい、
私のココロをくすぐります。



昔からこのタイプのアートが好きだったわけではなく、
「自分のやりたい仕事」
という、
内面に向かいだしたときに
好きなことに気づきました。


それまでは、現代アートとかミーハーなもの
ばかり興味があったんですけどねw


私が、ものづくりを仕事にしようと
やっと重い腰を上げたとき


バッグを作りたかったわけでも、
洋服を作りたかったわけでも
小物を作りたかったわけでも
革をやりたかったわけでも


ありません。



私がやりたかったのは


「絵を描くように、刺繍がしたい」


ただ、これだけ。


バッグを選んだのは
実はそのキャンバスとして
だったのです。


大好きな日本画のような表情豊かな世界を
刺繍で表現したかった。


いろんな出会いがあって、
革のバッグつくりを学び
革ばかり作っていた時期もありました。


でも、
やっぱり刺繍がしたい。


それを思い返して、
自分個人の作品を作ろうと思い、
オーダー受注を受けるのをやめたのが
たぶん、2.3年前。
でも、やっぱり
理想が高いらしく
自分の作りたいものに
技術が追い付かず、
それも中断。


またオーダーを始めましたが
なぜかなかなか進まない。
自分の不甲斐なさに
日々自己嫌悪を繰り返し
今まで考えもしなかった
「そもそも、ものづくりが私のやる仕事なの?」
ってとこまで思考が及ぶ
ここ最近。
末期です。


今日
大好きな若冲
ダイナミック水墨画の屏風絵を
ずーっと眺めて。


自分の原点を思い出しました。


亡くなった師匠に
「アナタ、古いものを継承していく星を持っている」
と言われていました。


年始の書初め会で
「温故知新」
と書いたら、恩師に
「なぜ今更それを書くんだ?」
オマエにとってもう分かりきったことだろう!
という感じで
言われたこともあります。



やっぱり、私は
古いものを自分なりに解釈しなおして
表現していくことが
しっくりくる気がします。


まだ、準備段階ではありますが、
私の作る作品の屋号というか、ブランドというか、
の、名前は


“ 繧繝彩色 ”
“ うんげんさいしき ”
“ ウンゲンサイシキ ”
“ ungen-saishiki ”


と、いいます。


その意味と、活動については
また後日お話しするとして。
その名が表現できるように
自分の活動を
もう少し見直していきたいと思います。


重ねてきたいろんなもので
私の表現をしていくために。