「この人、とっても絵がお上手ね!」

口内炎で口の中が火を吹いていた先々週、
ちょっと基本に立ち返る経験をしてきました。


見に行った展示会がこちら
レオ・レオニ 絵本のしごと」
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_lionni/


健康診断でお休みをいただいた平日昼すぎだったから、まぁまぁ空いてるかな...と思った私が間違いだった。
今は夏休みだったー!!!!
子どもがわんさか。


子どもは大好きなのですが、美術館で混んでいてうるさいのはちょっと苦手で。
と、思ったら、実はめちゃくちゃ楽しかったんですよ、これが。


混んでいるから、じっくり見るのは難しい。
でも、慣れ親しんだ絵なので、そこまでじっくり見なくても、自分なりに納得できたのはよかった。
私は「アレクサンダとぜんまいねずみ」が大好きで、あの絵本に出てくる不思議な色のトカゲが大好きで。
原画が見れてホント嬉しかった。


それ以外にも「フレデリック」「スイミー」「あおくんときいろちゃん」なんて聞いたら、「あ、あの絵本の人!」って思う人が多いと思います。
大人にとってみたら、小さい頃読んだ絵本の作者の方で、すごい人、ってイメージがありますが。


会場にいた、小学校あがる直前くらいの女の子が
「この人、とっても絵がお上手ね!」
って言ったんですよ。
びっくりしましたが、子どもはこのおじさんが、そんなすごい人だとは思っていないんです。
大人には、生きてきた分だけ、いろんなフィルターがかかる。
子どもは純粋にその絵本の絵だけを見る。


騒がしい美術館の中は、わずらわしさより楽しさが増えてきて。
絵よりもママを笑わせることが楽しくてしょうがなくて、ずーっとおならのような音を口で出し続ける男の子。
ママが大好きなんだろうなーって顔してました。
夏休みの宿題の1つに、この絵を描いたら?なんて娘に言ってるお母さんとか。
あの手法で絵を描いたら、ステキな作品作れそう!
この方の本をたくさん読んだであろう親子は、原画を見ながら物語を思い出してました。
不思議と、館内を走り回るような子は一人もおらず
みんな楽しそうに絵本の世界を堪能していました。



純粋って、ものを作る上で、私は特に大事にしたいことで。
何か枠を設けたり、制限をしたりするのではなく
思いつくままに、思いつくやり方で表現できたらって思っています。
みんなはその花が赤と思っていても、
私の目には黄色がステキ!って思ったら、黄色で描く。
そうやって、絵本を描くように、現実だけではない
私だけの世界を描いて行きたいです。


そう。
私が、バックにする刺繍。
実はお話のような背景があってデザインを組み立てているんです。
だから、絵本と一緒。
伝えたいこと、表現したい世界を、そこに描いている。
いずれ、バックの上に描く世界だけではなくて
子どもの頃の夢だった
お話を書くこともしてみたいな、と、今回の展示会で再燃しました。


だから、私は大人になりきれない子どもな自分が
このままでいいんだと思っています。
サッパリとあきらめるのではなく、やりたくてしつこく繰り返す(笑)
感情が隠しきれずに表に出てしまう
何事も真正面から受け止める


そこには、大人としてではなく
純粋な、子どもの感覚を忘れないでいる
1人の表現者として
いれたらなーって思います。